ありがとう。ダニエル・ボンド。
【本記事は以下ネタバレを含みます。ネタバレを避けたい方はお手持ちの端末を今すぐフリスビーのように手首のスナップを効かせて放り投げて頂ければ回避することが可能です】
『007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観てきた。
延期に延期を重ねた末の待望の公開。ありがとうボンド。ありがとうジェームズ。
監督はキャリー・フクナガ。音楽はハンス・ジマー(感想を書いた『DUNE / 砂の惑星』と同じ方)ダニエル・クレイグ演じるボンド、最後の作品。
前作、『007 / スペクター』をおさらいしてから観た方がより一層楽しめると思う。
個人的には『007 / カジノ・ロワイヤル』から観て行った方がよかったと思った。
ダニエル・ボンド初登場の『007 / カジノ・ロワイヤル』(2006年)から15年。
M役の俳優さんが変わったり、新Qが登場して眼鏡男子好きの皆さんが身悶えたりと、いろいろありましたね。
演者の皆さんも歳とったな。

昨今の007シリーズはオープニングムービーがかっこよくて感動する。
出演陣はこれまでの諜報部メンバーに加えて、レア・セドゥ、ラミ・マレック、アナ・デ・アルマス、ビリー・マグヌッセン、ラシャーナ・リンチ、クリストフ・ヴァルツ、という豪華な面々。
特にクリストフ・ヴァルツ好きなので、『007 / スペクター』から引き続き出演なので嬉しい。

クリストフ・ヴァルツのニヒルだけど飄々としていて、かつ知的でな雰囲気。思想がベースにある不道徳な挙動に説得力を感じさせてくれる。ちょっとチャーミングな感じがあるのも凄い。
全線関係ないけど、クリストフ・ヴァルツとティム・ロスって、ちょっと似てる。

今作は前作からの本筋のストーリーがあるので、お約束・ボンドガールの扱いが難しかった印象。途中でアナ・デ・アルマス演じるパロマが、その役割を担ってる(厳密にはボンドガールじゃないんだけど)

パロマのキャラクターが最高だったので、パロマだけがボンドガールの作品も観たかった。
ご多分に漏れず今作も時代の流れを受けて、女性の自立やジェンダー問題など、古い価値観と新しい価値観の交錯という構図がストーリーに上手く盛り込まれていた。
観ている側も実感として共感が生まれる作りになっていて、とても興味深かった。
あと、レア・セドゥの哀愁が凄くて、「哀愁」が服着て歩いてるみたいだなと思った。どの役でもいつも哀愁がある。元気でポップな役とか敢えて観てみたい。

詳しい内容については、ネタバレしすぎるのも野暮なので、ぜひご覧いただければ幸いです。
最後に、ダニエル・クレイグがまた『ローガン・ラッキー』みたいな映画に出ることを願ってる(悪そうなヤツの役が似合うんだこれが)
あとは、次のボンドはどんな方がやるのかが今から楽しみですね。